履正社―報徳学園 二回裏報徳学園1死二塁、池上が中前安打を放ち、中堅手がもたつく間に走者が生還。捕手片山=細川卓撮影
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履正社(大阪)―報徳学園(兵庫)の近畿勢対決となった30日の準決勝第1試合。アルプス席からは、保護者やOBらが熱い視線と声援をグラウンドに注ぎ続けた。
履正社の一塁側アルプス席。初回に3番安田尚憲君(3年)の本塁打が飛び出すとスタンドは大喜び。母多香子さん(54)は「打球が低く見えたので入るとは思わなかった」と信じられないという様子だ。周りの保護者らとハイタッチを繰り返した。
4番若林将平君(3年)の母佐織さん(46)は「安田君と息子はライバルだけど仲もいい。安田君が本塁打を打ってくれてめっちゃうれしい」。九回、その若林君が勝ち越し打を放ち、チームは勝利した。佐織さんは「打った瞬間、頭が真っ白になりました。みんな頑張ったし、報徳も粘り強かった」と両チームに称賛した。
三塁側アルプス席。報徳学園の篠原翔太君(3年)が三回に同点打を放った。父崇史さん(43)も大興奮だ。「今日は緊張しているようには見えない。今のように大きいのは狙わず、いいところで1本を打ってほしい」
六回にいったん勝ち越しとなる適時打を放った長尾亮弥君(2年)の母明子さん(43)は「自分の息子と思えないぐらいです」と涙をぬぐった。主将、岡本蒼君(3年)の父歩さん(43)も野球部OBで、3年の夏は兵庫大会で敗退した。「息子が母校で甲子園を目指す夢をかなえてくれた」。報徳学園は敗退したが、「悔しいです。夏にまた帰って来たいですね」と話した。(丹野宗丈、篠原あゆみ)