東芝の臨時株主総会に出席するために会場に入る株主ら=千葉市の幕張メッセ
米原子力事業の巨額損失で経営難に陥った東芝の臨時株主総会が30日午前、千葉市の幕張メッセであり、経営側が求める半導体事業を分社化する議案が承認された。新会社「東芝メモリ」が4月1日に発足する。東芝は東芝メモリの株式の過半を2017年度中に外部に売却し、1兆円超を調達して損失を穴埋めすることを目指す。
特集:東芝の巨額損失問題
綱川智社長が総会の冒頭、「株主のみなさまにはご迷惑をお掛けし、おわび申し上げます」と謝罪し、米原発子会社ウェスチングハウス(WH)が米国での原発建設で巨額損失を出した経緯などを説明した。さらにWHが29日に米連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)の適用を申請したことで東芝の損失は拡大する見込みで、半導体事業の分社化、売却ができなければ東芝の存続が難しいと理解を求めた。
株主からは「(WHの損失に)事前に予防的な対応をとれなかったのか」といった質問が相次いだほか、「(役員の)言っていることのすべてが信用できない。一刻も早く退陣したほうがいい」との批判も出た。議長を務めた綱川社長が株主の質問を「1人1問、2分まで」と制限したことに反発した株主が解任動議を出す場面もあった。