米最高裁判事にトランプ大統領が指名したニール・ゴーサッチ連邦控訴裁判事(49)が6日、米議会上院で承認される見通しになった。手続きに必要な上院(定数100)の6割の賛同は得られなかったが、与党・共和党が規則を変更し、過半数の賛成で承認できるようにした。順調なら7日には認められる見通し。トランプ政権にとって追い風になる。
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最高裁判事の承認は、「フィリバスター」と呼ばれる演説を長時間続ける議事妨害で投票を阻止できる。野党・民主党は保守色の強いゴーサッチ氏を嫌い、議事妨害を仕掛けようとした。フィリバスターは上院の6割の賛成で止めることができるが、共和党は上院議員52人で足りない。そこで、過半数の賛成でフィリバスターを阻止できるように規則を見直し、7日の採決につないだ。米メディアは「『禁じ手』を使って反対を封じ込めた」と報じている。
最高裁は判事9人からなる。保守派の判事が昨年2月に死去し、リベラル派4人、保守派3人、保守寄りの中間派1人となっていた。オバマ前大統領は昨年、別の人物を死去した判事の後任に指名したが、上院で過半数を占める共和党は審議に応じなかった。(ワシントン=小林哲)