米NBCテレビは7日、米国家安全保障会議(NSC)が核とミサイルの開発を進める北朝鮮に対抗するため、核兵器を在韓米軍に再配備することをトランプ大統領に提案したと報じた。トランプ政権が進める対北朝鮮政策の見直しの一環という。
複数の情報機関や軍の高官の話として伝えた。ソウル近郊・平沢にある在韓米軍烏山空軍基地への配備が検討されているという。
実際に配備に踏み切れば、「朝鮮半島の非核化」を訴える中国が強く反発するのは必至。トランプ氏が習近平(シーチンピン)・中国国家主席との初会談で、北朝鮮に影響力がある中国に対し、制裁強化や外交的手段によって圧力を強めるよう促すための牽制(けんせい)と見る向きもある。
在韓米軍は1950年代から対北朝鮮を想定して射程の短い戦術核を配備していた。冷戦終結などを受け、ジョージ・H・W・ブッシュ元大統領時代に完全に撤去されたとしている。北朝鮮による度重なる核実験を受け、韓国内では「核武装か米軍戦術核の再配備が必要だ」との意見もある。(パームビーチ〈米フロリダ州〉=峯村健司)