都議会の勢力
東京都議選(7月2日投開票)まで3カ月を切り、各党の攻防が激しくなっている。台風の目は、小池百合子都知事を中心とする地域政党「都民ファーストの会」。小池氏の圧倒的な人気を背景に、他党の議員らを次々に吸収し、単独過半数も視野に入れる。ただ具体的な政策はまだ見えず、どこまで伸びるかは不透明だ。
特集:小池都政
小池氏とのツーショットのポスターに、「都民ファースト」の文字が躍るのぼり。都民ファーストから立候補する予定の伊藤悠・前都議はその横で、平日の朝と夕、マイクを握る。
伊藤氏は民主党都議(目黒区)を2期務め、2013年に落選。今年になって民進党に離党を届け、都民ファーストに入った。「追い風を感じる」と言う。「『小池知事を応援しているから』と声をかけてくれる人が相当いる。チラシも受け取ってもらえるし、手応えは非常にいい」
いま、他党の地方議員らが都民ファーストに移る動きが加速している。民進では都議選の公認予定者36人中7人が離党届を出し、4人が都民ファーストから出馬する。伊藤氏もその一人だ。先月以降、現職の民進都議3人も離党を届け出た。
民進を支える連合東京も7日、都民ファーストとの連携を発表した。岡田啓会長は記者会見で小池都政について「様々なことがオープンで理解しやすい」と評価。都議選では民進からの移籍者を推薦するほか、都民ファーストの独自候補の支援も検討する。民進が低迷するなか、都政への影響力を保つための異例の判断だ。
豊洲市場を巡る問題などで小池氏と対立する自民からも2月、都議2人が都民ファーストに移籍した。都民ファーストが公表済みの公認予定者25人中11人は、自民から移った都議や区市議らだ。一方、公明も自民との蜜月に終止符を打ち、3月に都民ファーストとの選挙協力を決めた。「知事との距離をアピールして票の上積みを狙う」と公明幹部は話す。
都民ファーストの求心力を支える小池氏の人気は衰えを見せない。昨夏の知事選では得票率44%で圧勝。2月の千代田区長選では支援した現職が自民推薦の新顔をトリプルスコアで破った。都内の有権者を対象に朝日新聞が今月実施した世論調査では、小池氏の支持率は74%に達した。
都民ファーストは、小池氏が主…