佐藤信夫コーチ(左)と笑顔で得点を確認する浅田真央選手=2016年10月、遠藤啓生撮影
フィギュアスケート女子の浅田真央選手(26)が武器にしたトリプルアクセル(3A、3回転半)ジャンプは両刃の剣だった。100年以上のフィギュアスケートの歴史上、女子では7人しか成功していない。一方、体への負担が大きい割には点数が少ないという議論もあった。
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浅田真央の歩み
2010年から浅田選手を指導する佐藤信夫コーチ(75)は11日、最近の浅田選手のことを振り返りながら、こう語った。「(3Aへの挑戦を)我慢すれば、もう少し選手寿命が長かったかもしれない」
浅田選手は、1日の練習でジャンプを100回跳ぶこともあった。その結果、日本勢最多となる3度の世界選手権制覇を果たした一方で、3Aで踏み切る左足を痛めた。左ひざを折り曲げ、上半身を反時計回りに回そうとする。力が入るひざがねじれ、負担がかかる。浅田選手を支えてきた加藤修トレーナー(68)は「疲労が蓄積したオーバーユース」と言う。
浅田選手は「3Aを跳ばずに勝…