2006年トリノ五輪の3カ月前のフランス杯で、15歳にして初優勝を飾った浅田真央(中央)と3位の荒川静香(右)。左は2位のサーシャ・コーエン(米)
フィギュアスケート女子の2006年トリノ五輪金メダリスト、荒川静香さんは浅田真央(中京大)の引退表明を受け、「大きなプレッシャーを背負っていたことを考えると、退くのも、続けるのも、すごく勇気がいること。決断を、よく考えてできたのが今なんだと思う」と思いやった。
フィギュア特集 Kiss and Cry
特集:ラストダンス
浅田真央の歩み
ともにシニアの舞台で戦った2005~06年シーズン、荒川さんは浅田の滑りを見て自身のスケートを見直したという。「浅田選手が純粋に楽しんで、それを表現して戦っていく姿を見て、その大切さに気付かされた。(トリノ五輪で金メダルを取るために)それがすごく大事なことだった」と振り返った。
近年はトリプルアクセルにこだわり、葛藤する浅田の姿を見て、「楽しむことを思い出して」と伝えていたという。「一度トップに立った人は、目標をそう低くは掲げない。浅田選手がやっていた技術は、14、15歳で完成してきていたもの。変わりゆく体に変わらない技を伴わせないといけない難しさはあったと思う」
「浅田選手はフィギュアスケートのファンを増やした功労者。これまではフィギュアがあって、我慢してきたこともたくさんあったと思う。これからたくさんのことを経験して、また幸せな笑顔を届けてほしい」とエールを送った。