クロネコマーク(ヤマトホールディングス提供)
宅配便最大手「ヤマト運輸」が委託する運送会社の男性社員が、配達で訪れた愛知県内の20代女性に対し、伝票で知った携帯電話番号にショートメールを送っていたことが関係者への取材で分かった。男性は「LINE(ライン、無料通信アプリ)しませんか」などと呼びかけていた。女性側から通報を受けた県警は、ストーカー規制法に基づき男性に警告を出したという。
ヤマト運輸は女性に謝罪し、和解。13日付で男性との契約を解除したという。広報戦略部は取材に「お客様にご迷惑をかけ、おわびします。改めて情報管理とコンプライアンスの徹底をはかります」と答えた。
ヤマト運輸や関係者によると、男性は12日午前11時ごろに女性宅に荷物を届け、女性本人が受け取った。その約30分後、男性から「さっき荷物渡しに行ったヤマトの人です」「良かったらLINEしませんか」というメッセージが女性の携帯電話に届いたという。
不審に思った女性の交際相手が110番通報するとともに、ヤマト運輸に連絡。同社の調査に対し、男性は配達伝票で電話番号を知り、女性にメールを送ったことを認めたという。
ヤマト運輸では、配達で知り得た個人情報を私的に利用することを禁じており、この男性も契約時に研修を受けていたという。
通報した女性の交際相手は、取材に「業者も顧客の信頼があって個人情報を扱っていることを改めて自覚してほしい。客も悪用の危険があることを理解して宅配ボックスなどでの受け取りも考えた方がいい」と語った。