米フロリダ州パームビーチで6日、夕食会に出席したトランプ氏と習氏。左端がクシュナー氏=AP
トランプ米大統領と中国の習近平(シーチンピン)国家主席との初会談で双方が目指したのは「信頼関係の構築」(ホワイトハウス幹部)だった。厳しい対中批判をしてきたトランプ氏に対し、中国側は水面下でトランプ氏の家族に接触し、関係修復を図ってきた。だが、初日の会談では両者にぎこちなさも目立った。
6日夜、トランプ米大統領の別荘「マール・ア・ラーゴ」の玄関で真っ赤なネクタイ姿のトランプ大統領が、青いネクタイをしめた習近平国家主席を出迎えた。2人とも「勝負」の重要な会合でこの色を好む傾向がある。両首脳は硬い表情のまま軽く握手を交わすと、応接間に向かった。
金色に施された部屋のソファに腰掛けたのは、両氏とそれぞれの夫人のみ。ホワイトハウス当局者は、初対面の両氏が「互いを理解しやすいようにできるだけ堅苦しくない形式にした」と説明する。首都ワシントンではなく、トランプ氏の別荘に招待したのも「習氏と打ち解けるため」だ。
今後の米中関係を占うには、両首脳の人間関係が鍵を握る。だが、トランプ氏は大統領選中に「中国は米国を経済的に強姦(ごうかん)してきた」と激しい表現で中国を批判。この日のトランプ氏の表情も終始硬かった。
外交儀礼を気にかけず、奔放に振る舞うトランプ氏との関係構築は、各国首脳にとって頭痛の種だ。トランプ氏に趣味のゴルフクラブを贈るなど懐に飛び込んだ安倍晋三首相は首脳会談で19秒間も握手。一方、トランプ氏に厳しいメルケル独首相の握手の申し出は無視し、ターンブル豪首相とは難民受け入れを巡って対立して電話会談を途中で打ち切った経緯もある。
習氏にも苦い経験がある。20…