宅配ドライバーの長時間労働の問題に揺れるヤマト運輸は13日、宅配便の基本運賃を27年ぶりに値上げすることを正式に決めたと発表した。扱う荷物量を抑制するため、インターネット通販など大口顧客との交渉を本格化させ、9月末までの妥結をめざすことも決めた。
この日の取締役会で決めた「働き方改革の基本骨子」に盛り込んだ。値上げで収入が増えた分をドライバーの待遇改善に充てる。値上げの幅や時期は「検討中」としており、9月末までに確定させる方向だ。
荷物の大きさと運ぶ距離ごとに設定する基本運賃は、1990年に平均約8%の値上げを実施した後、消費税率の上昇分の転嫁を除いて変えてこなかった。個人の送り主にとっては、それ以来の値上げになる。
一方、荷物量の多い法人客には、大幅に割り引いた運賃を適用するのが慣例になっている。関係者によると、ネット通販大手アマゾンなど一部の顧客とすでに値上げ交渉に入っている。荷物量の抑制についても話し合っており、「当日配送」の縮小などの具体策も提示しているという。
「基本骨子」では、扱う荷物が…