道徳教科書では「国やきょう土を愛する」と題した教材も
文部科学省の今回の検定に合格した教科書には、「日本の伝統や文化」「愛国心や郷土愛」を意識した記述が各教科で並んだ。2006年の第1次安倍内閣で改正された教育基本法に従い、学習指導要領で日本の伝統や文化を扱うよう求めているからだ。教科書に描かれる「日本」とは――。
■小学校道徳 お正月や郷土の偉人・外国人の視点
今回初めての教科書検定となった小学校道徳では、さまざまな教材が出そろった。
多かったのは、お正月の過ごし方やおせち料理、風呂敷の使い方、浮世絵といった日本の風習や文化、芸術を紹介したものだ。日本文教出版は小5の教科書で「和太鼓調べ」と題し、主人公の「佳代」が、地域の和太鼓職人を訪ね、様々な発見をする物語を掲載した。
郷土に伝わる「偉人」や苦労話を紹介した教科書もある。
広済堂あかつきは小3の教科書で、明治時代に大師河原村(現川崎市川崎区)で生まれた「長十郎梨」をテーマに、梨作りに生涯を捧げた地域住民の姿を紹介。話の終わりには「きょう土のためにつくした人について、家の人や地いきの人に聞いたり、本を読んだりして調べてみましょう」との問いも設定した。日本文教出版も小5の教科書で北海道で生まれた米「ゆめぴりか」の開発過程を紹介、全国の地域ブランド米も取り上げ「米作りから、ちいきのことを考えよう」と投げかけた。
外国人の視点を通して、「日本…
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