悠々ホルンさん宛ての手紙には、さまざまな悩みがつづられている。1通ずつ、真剣に目を通す=東京都豊島区、竹花徹朗撮影
■小さないのち 大切な君
動画サイトのユーチューブで「死にたい」と検索すると、一番上に「死にたい・消えたい・さみしいと思っている子に」と題した動画が表示される。
特集:小さないのち
キミは生きてていいんだよ♪ 悠々ホルンさんの曲
減らない子どもの自殺 昨年、小中高生320人
生徒の生きづらさきっかけ 「命の教育」に取り組む学校
「こんばんは。生きるのがつらくなっちゃったかなぁ。心が疲れちゃったんだよね」。ミュージシャンの悠々(ゆうゆう)ホルンさん(30)が約7分間、静かに語り続ける。これまでに50万回以上再生された。
悠々さんは10代で2度、自ら命を絶とうとした。
千葉県内で両親と3人で暮らしていた。小学2年生のころ、14歳上の女性が突然「姉」として家に来るようになった。「他人が当たり前のように家に来て、親も受け入れる。自分がお客さんで、『姉』たちが本当の家族のように思えた」。両親と女性は親子だと聞かされたが、30歳の今も自分にとっては他人の感覚だ。
以来、父の態度も変わった。テレビを見ていると「人間のカス」と怒鳴られた。「自分に問題があるんだ」と思った。母はいつでも父の味方に映った。「いつか追い出される」。家は安心できる場でなくなった。
体にも異変が起きた。頭痛、腹…