LINE社が学校に講師を派遣し、メッセージを受け取ったときの感じ方が人によって違うことなど、SNSのやりとりについて教える=21日、東京都内の中学校、鬼室黎撮影
■小さないのち 大切な君
15年ほど前からネット上でのいじめの相談に乗る全国webカウンセリング協議会(東京都港区)の安川雅史理事長(51)に2015年、ある母親から電話が入った。中学1年の娘が自殺を図り、救急車で運ばれたが意識がないという。
「待っていてはだめ」SOS、ネットでキャッチして救え
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後日、安川さんが母親から話を聞くと、関東の中高一貫の私立校に入って間もない娘から「スマホがないといじめられる」と頼まれて買い与え、クラスの女子20人全員がLINE(ライン)のグループでやり取りするようになったという。
その後、女子生徒がメッセージを送っても無視される「既読スルー」が始まった。昼ご飯は1人。休み時間はトイレにこもるように。ある日、上履きのまま泣いて帰宅し、自殺を図った。経緯を語りながら、母親はおえつを漏らした。
このクラスの別の女子生徒の母親から偶然、安川さんに相談が寄せられた。生徒は「いじめを傍観してしまった」と悔やみ、不登校気味になっていた。母親と生徒に事務所に来てもらって話を聞いた。
自殺を図った女子生徒以外の19人でLINEの「裏グループ」をつくり、女子生徒を隠し撮りした写真や「キモい」などのメッセージを送り合っていた。生徒の1人が「裏グループ」の画面を面白半分で本人に見せたその日に、自殺を図ったとみられている。
母親の隣でじっとうつむく生徒…