生徒たちは、候補となる団体からのアンケート回答を書き出し、グループで共有した=昨年11月、東京都練馬区
現金30万円を、地域の課題に取り組む団体に寄付する。どこに贈るかは生徒たちの話し合い――。そんな寄付をめぐる教育が昨年秋から冬にかけて行われた。寄付先に選んだ団体と、生徒たちの交流会も開かれ、日本に「寄付文化」が定着するきっかけになればと、関係者の期待感も高まる。
このプログラムは、社会貢献教育で著名な米国の「ラーニング・バイ・ギビング財団」が学生向けに提供している。学生は授業で非営利組織(NPO)を評価する目を養い、効果的な寄付のあり方を学ぶ。リアルなお金を実在する団体に渡すことが、学生を真剣にさせるという。
日本でこの授業に初めてのぞんだのは、東京学芸大学付属国際中等教育学校(東京都練馬区)の6年生(高校3年生)12人。同校の藤木正史教諭(37)が、民間非営利団体に対する寄付の浸透をめざすNPO法人「日本ファンドレイジング協会」と協力。30万円は協会が提供した。寄付先は、生徒になじみが深い「子ども」「医療」「動物」の3分野から3団体ずつリストアップした計9団体から一つを選ぶ形だ。
生徒たちは寄付の現状やNPO…
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