在韓米軍が高高度迎撃ミサイルシステム(THAAD)の一部装備を韓国南部・星州郡の用地内に搬入したことを受けて、中国外務省の耿爽副報道局長は26日、定例会見で「米国と韓国に厳正な関心を表明した。地域の緊張を高め、中国の安全保障上の利益を損なう行為だ」と述べ、改めて配備撤回を求めた。
韓国、THAADの一部装備搬入 早期の運用開始目指す
特集:緊迫、北朝鮮情勢
中国は高性能レーダーの範囲が自国にも及ぶとして、配備に強く反発してきた。
中国ではTHAADの配備決定後、韓国に対する「報復」と受け止められる動きが続いている。グループ企業が用地を提供した韓国ロッテグループは、中国内に展開するスーパーが消防法違反などで営業停止処分を受け、今月の北京国際映画祭では常連だった韓国映画が1本も上映されなかった。
ただ、習近平(シーチンピン)国家主席とトランプ米大統領が、今月の米中首脳会談後も2度の電話協議を行い、核・ミサイルの開発を続ける北朝鮮への対応を協議してきた経緯がある。朝鮮半島の非核化に向けて「協力関係」をアピールしている最中だけに、中国としては配備撤回を求めつつも、これまで多用してきた「断固とした反対」という言葉を使わずに、米国への配慮をにじませた形だ。
共産党機関紙人民日報系の国際…