鳥取県教委が、水泳の課外授業で実施されているスタート時の飛び込み指導を公立小学校では禁止する方針を固めた。一部の市町村教委や県小学校体育連盟など関係機関に伝え、理解を求めている。5月下旬までに正式に決めるという。
県教委の調査で県内の全公立小学校129校のうち128校が昨年度、課外活動中に飛び込み指導を実施し、児童が頭や歯を打つなどして医療機関を受診したケースが6件あったことが判明。学習指導要領で小学校のスタート指導は「水中から」と定められていることなども考慮し、総合的に判断したとしている。
調査は、県中部の町立小学校で昨夏、水泳の課外授業で飛び込み練習をしていた児童がプールの底で頭を打ち、頸髄(けいずい)を損傷していたことがわかり、実施した。
今回の禁止方針を受け、県小学校体育連盟は、飛び込みスタートを原則としてきた県小学校運動記録会(水泳)について、5月の総会で協議する見通しだ。野口高幸会長は「正式に禁止になれば大会を続けるためにルールを変えることになるだろう」としている。
学校でのスポーツ事故に詳しい名古屋大大学院の内田良・准教授(教育社会学)は「全国的にも珍しい取り組みだ。高く評価する。水深が浅いプールでの飛び込みは危険なので、禁止せざるをえない」と話した。内田准教授は学校での飛び込み事故について、プールの底が浅く造られていることが原因と考えている。(横山翼)