奈良漬けの今西本店が導入している豊田自動織機の自動倉庫。「これがなければ、店を続けてこられなかった」と今西泰宏社長=奈良市
フォークリフト世界最大手の豊田自動織機が、納入先でみられる人手の不足や高齢化を解決しようと、自動倉庫の売り込みに力を入れている。効率的な倉庫が欠かせないネット通販の人気も、追い風だ。
奈良漬けの入ったプラスチック製のたる約2500個が、高さ10メートルを超える棚に整然と並ぶ。ボタンを押すだけで、目的のたるが倉庫の入り口まで運ばれてくる。
奈良市の「今西本店」の3階建て倉庫は、江戸期に開店した老舗(しにせ)らしい外観とは裏腹に、自動化されている。2002年、フォークリフトの購入先でもある豊田自動織機から、システムを導入した。今西泰宏社長は「自動倉庫がなければ、店を続けてこられなかった」と言う。
うりは3年、きゅうりは6年漬ける。新しい酒かすへの漬け替えが、途中で何度も必要になる。たるは一つ90キロ。以前は学生アルバイトを雇って4人がかりで出し入れしていたが、人件費がかさみ、募集も徐々に難しくなっていた。
豊田自動織機は、自動倉庫や、荷物を縦横無尽に運べる無人の搬送車といった「倉庫内物流」のシステムを、自動車部品メーカーなどに売り込んできた。近年は、酒蔵や食品メーカーからの引き合いも多い。
「重労働の現場で高齢化や人手…