沖ノ島=福岡県宗像市、朝日新聞社ヘリから
ユネスコ(国連教育科学文化機関)の世界文化遺産に、福岡県宗像(むなかた)、福津(ふくつ)両市の「『神宿る島』宗像・沖ノ島と関連遺産群」が登録される見通しとなった。事前審査する諮問機関が「登録」を勧告したためだが、認められたのは主要な構成資産5件のうち沖ノ島だけで、それ以外は除外するとの条件が付いた。7月2日からポーランドである世界遺産委員会で最終的に判断される。
フランス・パリの世界遺産センターが5日、諮問機関の国際記念物遺跡会議(イコモス)の勧告を日本政府に伝えた。勧告は「登録」▽追加情報の提出を求めた上で次回以降の審議に回す「情報照会」▽より綿密な調査や推薦書の本質的な改定が必要な「登録延期」▽登録にふさわしくない「不登録」の4段階で評価される。
遺産群は、「日本書紀」にも登場する海の女神が鎮座する宗像大社沖津宮(おきつみや)がある沖ノ島▽本土から約11キロ沖の大島にある中津宮(なかつみや)と沖津宮遥拝(ようはい)所▽本土にある宗像大社辺津宮(へつみや)▽信仰を支えた宗像族の墓とされる新原(しんばる)・奴山(ぬやま)古墳群――など。「古代祭祀(さいし)の変遷を示す考古遺跡がほぼ手つかずの状態で残されている」などとして2009年、国内候補の一覧表「暫定リスト」に記載され、15年の文化審議会で国内推薦候補に決定。イコモスが昨年9月、現地で調査した。
文化庁によると、イコモスは登録の条件として「宗像大社沖津宮遥拝所、中津宮、辺津宮、新原・奴山古墳群」を除外することを勧告したという。
沖ノ島は本土から約60キロの…