麻生太郎財務相と中国の肖捷(シアオチエ)財務相は6日、2年ぶりとなる日中財務対話を横浜市で開き、双方が関心を持つ分野の共同研究を進めることで一致した。中国の過剰生産・債務など構造問題を取り上げる見通しだ。
金融協力をめぐっては、日中が通貨を融通し合う「通貨スワップ協定」の再開を議論。経済危機が起きた場合、人民元が必要な日本企業や円が必要な中国企業に、互いの通貨を安定的に供給する制度で、2013年に終了したままだった。
中国の通貨政策を担う中国人民銀行(中央銀行)の幹部も参加して「相当程度深まった」(同行筋)というが、協力の決定には至らなかった。「双方とも重要性は認めているが、政治的マターになっていると認識している」(麻生氏)ためだ。中国は指導部が入れ替わる秋の共産党大会を控えており、日本に甘いと受け止められる決断がしづらい状況にある。(福田直之)