沖ノ島の世界文化遺産登録の勧告から一夜明け、除外の一つとなった宗像大社の本殿には朝から参拝者が訪れていた=6日午前10時29分、福岡県宗像市、日吉健吾撮影
沖ノ島以外の候補を除外するのが適当――。国際記念物遺跡会議(イコモス)の出した評価は厳しかった。世界遺産への道半ばで明暗が分かれ、一枚岩で運動してきた関係者には戸惑いと落胆の声が漏れた。
沖ノ島、世界文化遺産へ 条件付きで登録勧告
勧告で除外の対象となった「新原(しんばる)・奴山(ぬやま)古墳群」を擁する福岡県福津市の原崎智仁市長は「大変厳しい内容。今後、国や県、宗像市と連携をとって、7月の世界遺産委員会での全資産記載に向け、最善を尽くしていきたい」とのコメントを発表した。
大島(宗像市)在住で沖ノ島関連の写真集を出している板矢英之さん(73)は「沖ノ島の尊さを改めて感じる」と話す一方、大島にある沖津宮遥拝(ようはい)所などを外すよう求められたことに「遥拝所はお祈りをする場所で日本独特。世界的に理解してもらうのは難しいかもしれない」。世界遺産委員会での復活を期待するが、「最終決着は別にして、先人がつないできた神様を大切にする気持ちを引き継いでいきたい」と淡々と語った。
大島で漁業と民宿を営む古賀達…