証券大手の大和証券グループ本社は、「70歳まで」としている営業職の再雇用の年齢上限を撤廃する方針を固めた。経験豊富なベテランに長く働いてもらうことで営業強化につなげるのが狙い。
中田誠司社長が朝日新聞のインタビューで、「できるだけ早く上限を撤廃するよう指示した」と明らかにした。業界に先駆けた取り組みで、高齢者の就業促進をめざす「働き方改革」を加速させる狙いもある。
同社傘下の大和証券の営業職は60歳定年。2013年に70歳まで働ける雇用の制度を導入したが、上限の撤廃に踏み出す。現在、制度を利用している営業職の最高年齢は67歳という。この世代にはバブル期に多額の収益を稼いだ社員が多い。高齢者への営業には同世代の営業マンをあてる方が効果的との判断もある。金融商品に関する知識が豊富で、多くの顧客と信頼関係を築いてきた社員に長く勤め続けてもらうことで、業績向上につながると期待している。
雇用問題に詳しい関西学院大学大学院の佐竹隆幸教授は「人材確保の問題が切実な中小企業では定年を撤廃した例もあるが、大企業では珍しい試みだ。少子高齢化が進むなか、高齢者にどう活躍してもらうかが今後の企業の課題になる」と話す。
証券業界では、最大手の野村証…