三回表、細谷の三塁打で生還し、迎えられるロッテの平沢=時事
(9日、ロッテ6―4楽天)
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「たいがー」。打席に立つと、右翼側のロッテファンだけでなく、楽天ファンもその名を叫んだ。宮城県出身の19歳、ロッテ・平沢大河が、昨年8月以来2度目の複数安打を放ち、2得点で勝利に貢献した。
三回の第1打席は、高めに抜けた変化球を引っ張って右翼線へ。チーム初安打となる二塁打で出塁し、先制点の足場とした。2点をリードした四回2死一塁では、外角低めの真っすぐを逆らわずに左前安打。「なんとかつなごうという意識だった」。続く荻野の左越え二塁打で4点目のホームを踏んだ。
仙台育英高では1年秋から遊撃の定位置を確保。2年の明治神宮大会で優勝に貢献し、3年の夏は甲子園で準優勝に輝いた。2015年秋のドラフトではロッテと楽天が1位指名。くじ引きの末に千葉が本拠になったが、昨年8月に仙台での楽天戦でプロ初安打をマークしており、地元での活躍が目を引く。
昨季は23試合に出場し、打率は1割4分9厘。今季は21試合に出て既に4失策と守備は不安定だが、チーム打率1割8分7厘のチームにあって、打撃は出場8試合連続安打と上り調子だ。伊東監督も「上手に打った。しばらくこのまま使おうと思う」。
この日は母校の後輩約3千人が楽天の招待で観戦していた。「(後輩に)恥ずかしい姿は見せられなかった。声援を力に変えられるように頑張る」。宮城のヒーローは、最下位に沈むチームの救世主をめざす。(松沢憲司)
○伊東監督(ロ) 今季初めて3連戦の初戦で白星。「この勝ちを生かすためにも、明日の試合が大事」と淡々。
○ダフィー(ロ) 六回に中堅右へ来日第1号のソロ。「少し高めに来た失投を、しっかり自分のスイングでとらえることができた」