右足でゴールを決めるユベントスのアウベス=AP
(9日、サッカー・欧州チャンピオンズリーグ)
ユベントスを決勝に導いたのは、ブラジル代表MFアウベスの右足だ。
ユベントス、2大会ぶり決勝進出 モナコ破る
最大の見せ場は前半終了間際。CKを相手GKがパンチングでペナルティーエリア外へクリアした。そこに待ち受けていたのがアウベス。落ちてくる球を、しっかりと右足の甲でとらえた。浮かして枠を外さぬよう、足は振り抜かない。低い弾道で、ドライブのかかった球がゴール右へ突き刺さった。
鮮やかなダイレクトボレーに、4万人超のスタジアムは総立ち。アウベスはおどけた表情でメインスタンドを眺めながら、ゆっくりと自陣へ。最後は手でハートを作って観衆と向き合い、ちゃめっ気たっぷりに余韻に浸った。
この日は前半33分にも絶妙のクロスで先取点をアシスト。6日前の第1戦でもイグアインの2得点を演出している。準決勝の2戦でチームがあげた全4点、すべて彼の「黄金の右足」から生まれた。
昨夏、8年間在籍したバルセロナを退団し、ユベントスに移籍した。その理由を「栄光にあぐらをかいていたくない」と地元紙に語っていた。野心を持ち続ける34歳の活躍で、ユベントスが21季ぶりの欧州頂点へ、あと1勝までたどりついた。(トリノ=藤木健)