国産のメジロ(全国野鳥密猟対策連絡会提供)
飼育禁止の国産メジロを自宅で飼っている疑いがあるとして、大阪府警は10日、府内の50~80代の12人の男性宅に鳥獣保護法違反(違法飼養)容疑で家宅捜索した。府警が明らかにした。府警はメジロ168羽を押収。鑑定の結果、違法な国産メジロの飼育と判明すれば同容疑で書類送検する方針。堺市の住宅街にある町内会館で鳴き声を楽しむ「鳴き合わせ」が行われていたとみられるという。
「横綱」は数百万円で売買 メジロ鳴き合わせ会の実態は
保安課によると、12人は大阪府堺市、和泉市、泉佐野市、泉南市、高石市、忠岡町、豊中市、寝屋川市に居住。いずれも4月、市町村の登録を得ずに自宅で国産メジロを飼育した疑いがある。府警は約80人態勢で捜索した。
2012年3月までに市町村の登録を得ている場合、1年ごとに登録を更新しながら1世帯1羽まで飼うことができる。環境省によると14年末時点で3756羽が登録されている。一方、鳥獣保護法の指針が改正され、12年4月以降、愛好家が趣味で新たに飼うことは禁じられた。警察庁によると、メジロなどに絡む鳥獣保護法違反(飼養禁止、譲渡、譲り受け)の疑いで昨年、逮捕・書類送検されたのは168人だった。
府警は、堺市西区の町内会館に国産メジロを持ち込み、鳴き声の美しさや回数を競わせ、楽しむ「鳴き合わせ」が開かれていたとみて捜査。捜査員は2~4月の日曜日に数回、鳥かごを持った一行の出入りを調べて自宅を割り出した。その後、飼育の様子や鳴き声を確かめたという。
国内で野生のメジロを捕獲して趣味で飼うことは禁じられた一方、輸入したメジロは国の登録を受ければ飼うことができる。府警は専門家に鑑定を依頼し、くちばしの長さや体毛の柄から国産かどうかを数日間かけて見極めるという。
家宅捜索では、国産の飼育が原則禁じられているウグイス1羽とオオルリ2羽も押収したという。