女の自宅の捜索に入る捜査員ら=4日午後4時44分、愛媛県今治市、藤井宏太撮影(画像の一部にモザイクをかけています)
愛媛県今治市の市営住宅で高齢の母子が切りつけられ、母親が死亡、長男が重傷を負った事件で、愛媛県警は4日、近くに住む女が事件に関与した疑いがあるとして任意で事情聴取を始め、女の自宅を家宅捜索した。捜査関係者が明らかにした。
高齢親子刺され、92歳母死亡 近隣で類似事件も 愛媛
県警によると、事件は3日午前9時ごろ、今治市室屋町7丁目の市営住宅1階の無職岡本久行さん(70)方で発生。突然部屋に侵入してきた女に、母親の無職岡本ユキヱさん(92)が胸を刺され、久行さんが背中を刺された。
久行さんはいったん外に逃げて通行人らに助けを求め、110番通報を依頼。その前後に女は逃げた。2人は病院に運ばれたが、ユキヱさんは約8時間後に出血性ショックで死亡。胸の傷は肺を貫通していた。久行さんも重傷を負った。
県警は、逃げた女について、久行さんが「見知らぬ女だった」「小柄だった」などと話したことから、事件があった前後の目撃情報を集めるとともに、付近の防犯カメラの映像を分析。この結果、現場から約600メートル南側のマンションに住む女が浮上したという。県警は4日、自宅を家宅捜索して自宅から持ち物などを押収。任意で事情聴取を始めた。
一方、事件があった市営住宅の南西約400メートルにある今治市別宮町6丁目の民家では先月26日、一人住まいの無職越智サツキさん(81)が腹部を刺されて死亡しているのが見つかっている。
県警は、二つの事件の現場が近く、約1週間で相次いで発生していることや、刃物を使った犯行で、いずれも高齢者が被害者であることなど状況に似た点があるため、関連を調べる。
現場の近くに住む女性(42)は「1件目の事件の現場が小学3年生の息子の通学路にあり、通わせるのが怖くて仕方がなかった」と話した。近くに住む会社員の男性(29)は「事件が全国ニュースで流れていたので、実家の両親から心配する電話を受けていた。解決してほしい」と話した。