上海で流行する、生後数カ月の赤ん坊を適温のお湯で泳がせるサービス「赤ちゃんスパ」=3月11日、矢木隆晴撮影
14億近い人口を抱え、いまなお年率6%台後半の経済成長を続ける中国。国内の発展は目覚ましく、ライフスタイルもものすごい速度で変化している。最大の経済都市・上海で、市民の暮らしぶりを追った。
青、黄、緑、オレンジ……。上海では色鮮やかな自転車が往来する姿が、ここ1年ですっかり定着した。公共スペースであれば誰もがどこでも乗り降りできる、シェアリング自転車の登場だ。
ビジネスモデルはレンタル自転車とほぼ同じだが、GPS(全地球測位システム)とスマートフォン決済を組み入れたことで、一気に利便性が高まった。
スマホをかざしてQRコードを読み取って解錠、施錠すればオンラインで支払いできる。値段は30分で1元(約16円)前後とお手頃だ。昨年4月にサービスが始まると、たちまち人気に火がついた。
改革開放政策が始まった直後の80年代、中国の交通手段は自転車が中心だった。朝夕の通勤時間帯には、道路には自転車が大河のように流れていた。その後の経済発展により自動車が増え、地下鉄が走るにつれて消えていた風景が、少し戻ってきたかのようだ。
「昔は毎日のように乗っていた…