旭化成のコンセプトカー「アクシー」
化学大手の旭化成が自ら手がける部品を搭載したコンセプトカーを初めて開発し、17日発表した。車メーカーは車体を軽くするため、さまざまな素材の活用を進めており、存在感をPRするためだ。ほかの素材大手も車に商機を見いだしている。
旭化成が京都大学発のベンチャー「GLM」と開発したのは、電気自動車(EV)「アクシー」。タイヤのゴムやシート生地、塗料のほか、車の商品力のカギを握るセンサー類など、計27点に旭化成の素材が使われた。吉田浩常務は「自動車事業の象徴として、軽量化のための素材、未来を見つめたシステムを搭載した」と話した。市販の予定はないが、この車を技術のPRに利用する考えだ。
環境規制が世界的に強まっている。車メーカーにとって、電動化や素材の軽量化が大きな課題だ。EVを動かすリチウムイオン電池の部品「セパレーター」は市場規模が年3割増で拡大中。シェア1位の旭化成は昨年、国内製造ラインを増設し、2020年までに生産量を2倍近くに増やす。
エンジン周辺でも使える耐熱性の「樹脂」は、鉄と比べて重さを6割減らせるという。車は、鉄が重量ベースで7割近くを占める。だが、30年には3割近くに下がると予測する調査もある。旭化成は車関連を成長分野に位置づけ、売上高を25年に今の3倍の3千億円へ伸ばすつもりだ。
炭素繊維分野で世界最大手の東…