ホワイトハウスで行われたコロンビアのサントス大統領との共同会見でのトランプ米大統領=18日、ワシントン、ランハム裕子撮影
トランプ米大統領は18日、ホワイトハウスで記者会見し、昨年の大統領選に対するロシア介入疑惑を捜査する特別検察官が任命されたことについて、「魔女狩りだ。国を分断する」と反発した。この疑惑に絡んで、トランプ氏が解任したコミー前連邦捜査局(FBI)長官に捜査をやめるよう要請したとの報道についても、全面否定した。
疑惑捜査、米司法省の反旗 トランプ氏「やらせておけ」
コロンビアのサントス大統領との共同記者会見で語った。疑惑を巡っては、米司法省のローゼンスタイン副長官が17日、独立性が高い特別検察官にマラー元FBI長官を任命。この日の会見は、トランプ氏が疑惑について釈明する場となった。
ロシアによる大統領選への介入疑惑に加え、トランプ氏がロシアのラブロフ外相と会談した際に、機密情報を漏らした疑いなどロシアとの距離の近さが問題になっている。トランプ氏は「(ロシアとの)共謀はあり得ない」と疑惑を否定。「ロシアであれ、どこであれ、私の最優先はアメリカ合衆国だ」と述べた。
トランプ氏が、フリン前大統領補佐官の捜査を指揮していたコミー氏を突然解任したことについて、「コミー長官が非常に不人気だった」と釈明。記者がコミー氏に捜査打ち切りを要請したのかと問うと「違う、違う。次の質問は?」と質問を遮り、いら立ちを隠さなかった。
捜査妨害など弾劾(だんがい)に当たる行為をしたのかとの質問には「全くばかげている」と述べ、「国のための仕事に戻る必要がある」として、雇用の改善など政権発足からの成果を「ものすごい前進だ」と自賛した。
コミー氏の後任になる新たなFBI長官について、「間もなく発表する」とも述べた。米メディアは2000年の大統領選で民主党の副大統領候補だったリーバーマン元上院議員が有力だとしている。(ワシントン=香取啓介)