初公判で被告席に座る韓国前大統領の朴槿恵被告(左端)とチェ・スンシル被告(右端)=23日、ソウル中央地裁、東亜日報提供
韓国最大の財閥サムスングループから巨額の賄賂を受け取った収賄などの罪で起訴された前大統領の朴槿恵(パククネ)被告(65)の初公判が23日午前、ソウル中央地裁で開かれた。朴被告がソウル拘置所を出て、国民の前に姿を現すのは3月31日に逮捕されて以来53日ぶり。
揺れる韓国政界
朴被告は23日午前9時10分ごろ、護送バスで地裁に到着。手錠をかけられ、うつむいた姿勢で報道陣に無言で庁舎に入った。やつれた表情で、濃紺の私服に収監者の番号が入った丸いバッジをつけていた。法廷で裁判長に職業を問われると「無職です」と答えた。起訴内容については「(全面否認の主張をした)弁護人と同じです」と述べた。
韓国で大統領経験者が被告として法廷に入るのは、「光州事件」などに関して起訴された全斗煥(チョンドゥファン)元大統領と盧泰愚(ノテウ)元大統領の1996年以来。地裁は韓国メディアに冒頭部分の撮影を許可した。法廷内の撮影は裁判長の裁量で許可でき、国民の関心や事案の重大性を考慮したとみられる。(ソウル=武田肇)