テヘランで22日、記者会見するロハニ大統領=AFP時事
イランのロハニ大統領は22日、大統領選挙で再選決定後初の記者会見で「ミサイル実験が必要なら許可を待たずに実行する」と述べ、ミサイル開発を理由にイランへの追加制裁を発動した米国に反論した。トランプ米大統領がアラブ諸国首脳とイラン包囲網の強化を目指していることを、「政治における意義のない見せ物」と批判した。
現職のロハニ師が再選 イラン大統領選
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ロハニ師は会見で、「イランは防衛強化のために他国の許可は必要とせず、ミサイルは自衛目的だ」と、弾道ミサイル開発を続けることを示唆した。「イランなしで中東の安全保障と安定は実現できない」と述べ、テロ対策での団結を訴えた会合を痛烈に批判し、サウジアラビアや米国を牽制(けんせい)。シリアのアサド政権やレバノンのシーア派組織ヒズボラなどを引き続き支援する立場を示した。
2期目で課題となる失業率対策については、「雇用を増やすためには、世界との交流、それに伴う外国からの投資が必要だ」と主張。「大統領選での国民からのメッセージは国際的対話だった」として、イランの核開発を大幅に制限する見返りに国際社会からの経済制裁を解除させた、2015年7月の欧米などとの核合意を順守し、対外融和を継続することを強調した。(テヘラン=杉崎慎弥)