国際宇宙ステーション(ISS)で約9カ月間保存したマウスの精子を地上で卵子に授精したところ、精子のDNAは宇宙放射線の影響で損傷したが、出産率は地上のマウスと変わらないことを、山梨大の若山照彦教授らの研究グループが明らかにした。研究成果を23日、米科学アカデミー紀要に発表した。
山梨大や宇宙航空研究開発機構(JAXA)らの研究グループは、マウス12匹から採取した精子を凍結乾燥して粉末状にし、ISSの日本実験棟「きぼう」で2013年8月から約9カ月間保管した。その後、地球に持ち帰って卵子に授精した。
精子への宇宙放射線被曝(ひばく)量は計178ミリシーベルトで、地上で同じ期間、保管した精子の約100倍。精子のDNAを分析すると、宇宙放射線の影響でDNAの損傷度が地上保存の精子より高いものが多かった。
これらの精子を卵子に授精した…