旧日本長期信用銀行の頭取を務めた大野木克信さん(写真は1998年8月の頭取在任時)
旧日本長期信用銀行(現・新生銀行)頭取を務めた大野木克信(おおのぎ・かつのぶ)さんが10日、死去した。80歳だった。葬儀は近親者で営んだ。
東大農学部を卒業後、59年日本長期信用銀行に入り、95年頭取に就任。バブル期に抱えた巨額の不良債権の処理に取り組んだが、長銀は98年秋に経営破綻(はたん)して一時国有化された。頭取退任後の99年、98年3月期決算の粉飾事件に絡み、証券取引法違反(有価証券報告書虚偽記載)などの罪で、旧経営陣2人とともに起訴された。一審、二審は執行猶予付きの有罪判決だったが、08年の最高裁判決で逆転無罪となった。11年から14年まで、霊園開発を手がけるニチリョクの社外取締役を務めた。