【サンパウロ=宮本英威】ブラジル国営石油会社ペトロブラスは6日、新たな最高経営責任者(CEO)に、国営ブラジル銀行の頭取を務めるアルデミル・ベンジニ氏(51)を選任したと発表した。同社を巡る汚職疑惑による経営混乱の引責辞任したグラサス・フォステル氏の後任。ルセフ大統領に近い存在で金融市場では改革期待が後退した。
同社の経営審議会が多数決で決めた。地元有力紙フォリャ・ジ・サンパウロによると、10人の委員のうち、少数株主や労働組合の代表ら3人がベンジニ氏選任に反対したという。
ベンジニ氏はリオデジャネイロ・カトリック大学で経営学学士を取得。ブラジル銀行に15歳から勤務し、2009年に頭取に就いた。同行頭取としては「政府の言うとおりの施策を実施してきた」との見方が多い。
サンパウロ株式市場で6日、ペトロブラス株が前日比で約7%下落。独立性のある経営者の就任を期待していた向きも多かったため、ベンジニ氏の選任が伝わると売りが膨らんだ。