■てんでんこ:皇室と震災5
東日本大震災発生から土日をはさんだ2011年3月14日。「忙しい時だろうからワーキングランチにしましょう」と声がかかり、当時の羽毛田信吾(はけたしんご)・宮内庁長官(75)と川島裕(かわしまゆたか)侍従長(75)は天皇、皇后両陛下が暮らす皇居・御所で両陛下と昼食をともにした。
テレビに津波の高さ予想、陛下は祈るように語った
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12日に東京電力福島第一原発1号機が爆発。原発が危険な状況が続く中、14日から計画停電が始まることになった。ワーキングランチの席上、宮内庁でも節電する方針とし、御所でも計画停電の時間に自主的に電力使用を停止することを決めた。
しばらく宮殿を閉鎖し、外国大使の信任状捧呈(ほうてい)式や大臣らの認証式など国事行為に限っては宮殿で儀式を行うが、それ以外の行事は取りやめるか、御所で行うこととした。災害対策に忙殺されている警備当局に負担をかけないよう、演奏会や美術展の鑑賞や、地方での静養など、予定されていた日程を延期したり取りやめたりした。
代わりに、被災地訪問の検討が…