北朝鮮は29日、米原子力空母カールビンソンの艦隊が4月末から日本海に展開するなかで、今月3度目となる弾道ミサイルの発射を強行した。この間、北朝鮮は周辺海域を航行する船舶への警報を出していない。北朝鮮の軍事挑発を止められないなか、もし事故が起きれば、緊張が一気に高まる可能性もある。
北朝鮮、挑発続ける意思明確に ミサイル2発との情報も
特集:北朝鮮のミサイル
北朝鮮がミサイルの試射を続ける背景には、「核実験ならいざ知らず、ミサイル発射だけで米国が北朝鮮に侵攻することはない」(軍事関係筋)という判断がある。
朝鮮中央通信によれば、24日に行われた北朝鮮とチェコの外交協議で、北朝鮮外務省幹部は「朝鮮半島情勢の緩和のためには米国の核の威嚇と敵視政策が撤回されるべきだ」と主張した。
だが、北朝鮮には、軍事挑発が偶然の事故などを引き起こして安全保障の危機を招くことを防ぐ姿勢が全くみられない。
北朝鮮は昨年9月、3発の中距離弾道ミサイルのスカッドER改良型(射程約千キロ)を日本海に向けて発射。落下の数時間前、落下地点の南方約70キロの海域を、日本の10万トン級LNGタンカーが航行していた。海運関係者は「今後、事故が起きてもおかしくない」と語る。
北朝鮮は弾道ミサイルを発射す…