インディ500で初優勝し、喜ぶ佐藤琢磨=AP
世界最高峰の高速自動車レースの一つ、インディアナポリス500マイル(インディ500)で日本人ドライバーとして初優勝した佐藤琢磨(40)=ホンダ=に対し、「日本人ドライバーが勝ったのは不愉快だ」などとツイッターでつぶやいた米国人記者が、所属する新聞社を辞める事態が起きた。
インディ500、佐藤琢磨が優勝 日本人初の快挙
ロイター通信など米メディアが29日に報じた。この記者はデンバー・ポスト紙でスポーツ記事を担当していたテリー・フライ氏。佐藤が28日にインディ500を初制覇した後、「メモリアルデーの週末に、日本人ドライバーがインディ500で勝つのはとても不愉快だ」などとツイッターに投稿した。
米国では5月の最終月曜日(今年は5月29日)は「メモリアルデー」と呼ばれる戦没者追悼記念の休日で、米国が参戦したすべての戦争犠牲者を追悼する日になっている。
この投稿が炎上すると、フライ氏は「サトウタクマに謝りたい。メモリアルデーの週末に(勝ったのが)、父が第2次世界大戦で戦った相手国(のドライバー)だったこともあり、愚かな投稿をしてしまった」などとツイッター上に謝罪文を掲載。だがデンバー・ポスト紙は29日、編集長名で声明を出し、「無礼で許しがたいツイートを謝罪したい。彼はもうデンバー・ポスト紙の社員ではない」として、テリー氏が社を去ったことを伝えた。