政府系ファンドの産業革新機構は30日、東芝が売却を進める半導体子会社「東芝メモリ」への投資について、意思決定のための委員会を開いたが結論を持ち越した。これで革新機構を軸とする「日米連合」による応札条件の提示は、6月以降にずれ込む。東芝の入札手続きに遅れが出そうだ。
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革新機構は同日午後、経営陣や有識者による「産業革新委員会」を開いた。終了後、志賀俊之会長(日産自動車副会長)は記者団に「現状報告をしたが、特に何かを決めたわけではない」とし、決定を見送ったことを明らかにした。
革新機構は日本政策投資銀行と、米投資ファンドのコールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)とで「日米連合」を構成し、東芝メモリの買収を模索。内部での調整が遅れ、東芝が19日に締め切った2次入札では、金額など応札の条件を固め切れていなかった。
今月内をめどに条件を固める方向で調整を進めてきたが、東芝の協業先の米ウエスタンデジタル(WD)が日米連合に合流を打診してきたことで枠組みの再考も迫られ、結論を出せなかったとみられる。
有力視されてきた日米連合の調…