違法賭博問題による無期限競技会出場停止処分が15日に解除されたバドミントン男子の桃田賢斗選手(22)=NTT東日本=が31日、復帰戦を優勝で飾った。さいたま市記念総合体育館で行われた日本ランキングサーキット大会のシングルス決勝で日本代表の上田拓馬選手(日本ユニシス)に2―1で競り勝ち、「支えてくれた方々へ一つ恩返しができたかな、という気持ち」と涙ながらに語った。
一進一退の攻防となった最終第3ゲームは16―18から4点を連取するなど粘りを発揮。優勝した瞬間はコートに両膝をついて号泣した。
次戦は全日本実業団選手権(7月5日開幕、秋田市)となる。国際大会は、日本バドミントン協会の上松芳則選手強化本部長の特例許可を得て、カナダ・オープン(同11日開幕、カルガリー)とUSオープン(同19日開幕、米カリフォルニア州アナハイム)に自費で参加する予定。桃田選手は昨年4月以来の国際大会に向けて、「感謝と恩返しする気持ちを持って戦いたい」と話した。
この日は日本代表の朴柱奉監督も視察し、「フィジカル面は良かったが、緊張からか動きに硬さが見られた」と印象を述べた。大会後には日本代表の強化スタッフ会議が開かれ、桃田選手の代表復帰は1大会だけでは判断できないとして見送られた。