大阪市のヘイトスピーチ抑止条例に基づく審査会が認定した動画3件について、市は1日、ヘイトスピーチの具体的な内容や行われた日時、場所、投稿者のネット上での呼称のハンドルネームを公表した。条例では投稿者の実名を公表できるが、市は実名がわからず、ハンドルネームを公表した。吉村洋文市長は実名把握のための条例改正を検討する考えを示した。
市によると、動画は、2013年2~3月に大阪市東成区や生野区で「日韓国交断絶国民大行進in鶴橋」と称して行われたデモなど3本。在日韓国・朝鮮人に対し「ゴキブリ」「殺せ、殺せ」「害悪朝鮮人を日本からたたき出せ」などと繰り返し発言。審査会は、これらがヘイトスピーチにあたると判断した。
市は当初、動画投稿サイトの運営会社に投稿者名などの提供を求めたが、情報を得られず、「氏名に準じるもの」として、ハンドルネームの「ダイナモ」と「yuu1」を公表した。
吉村市長は「匿名で表現する自由は守られるべきだ」としたうえで、「動画の中身は不特定多数に公開されているのに、(投稿者の)氏名を守る必要があるのか」と主張。具体的な表現の公表について「差別を助長するのでは、という意見もあるが、何がヘイトスピーチにあたるかを知ってもらい、こうした表現は許されないという意思を明確にした」と述べた。
3本の動画の審査を市に申請し…