黄河石林や牛肉麺、中山橋、金塔県のコトカケヤナギ林、平山湖大峡谷など、甘粛省蘭州市の80後(1980年代生まれ)の女性・劉欣さんは、故郷の美しい風景を描き続けている。中国新聞網が報じた。
大学の芸術デザイン教師である劉さんは、手帳が大好き。手帳は、持ち歩きに便利で、そこに感じたことやスケジュール、忘れてはいけない事などを書き込むことができる。日本ではこうした手帳が非常に一般的なアイテムだが、中国でも最近、リアルな生活の様子を記録することができるスケジュール帳やスケッチ帳など小ぶりのノート全般を「手帳」と呼び、少しずつ流行し始めている。劉さんもどこかへ出かける時にはいつも手帳を携帯し、その美しい景色を描き、ネット上に投稿し、自分の楽しみを大勢の人にシェアしている。
「4年前に偶然あるグルメ雑誌を見て、あるシェフが手帳にメモするようなスタイルでレシピを記録していた。それを見た瞬間、この斬新な記録スタイルに魅了された」と劉さん。
劉さんはその時から、カバンの中にスケッチ用の手帳と、フェルトペン、マスキングテープ、シールなどの絵画セットを常備するようになったという。「普段は仕事が忙しいので、休みの日や授業の合い間を利用して絵を描いている。美しい景色を手帳に描くというのは、記録の一種で、その時の気分の描写でもある」としている。
スケッチ用の手帳、筆、絵具、シールなどを必ず持ち歩いているという劉さん(撮影・高展)。
ある年の秋に、劉さんは、蘭州興隆山に遊びに行き、その美しい秋の景色に魅了された。「写真だけでは、その風景を見て私が感じたことを全部表現できない。そのため、絵具や手帳を持って、もう一度興隆山に行き直し、旅行手帳を作った。景色を手帳に描くと、過ぎ去ってしまう記憶を掴み取るかのような気分になる」と劉さん。
今はスマホとインターネットが多くの人の生活必需品になっており、紙や筆を使うことは少なくなってしまった。しかし、劉さんのように、自分の手を使って自分の感じたことを表現する手帳アーティストは、生活の中のちょっとしたことや、遭遇したうれしくなるようなことを、カラフルに記録している。
手帳アーティストは、女性が多く、自分の傑作を撮影して、その画像をインターネット上に投稿している人も多い。
手帳に描かれた金塔県のコトカケヤナギ林 (資料画像、劉さんが提供) 。
劉さんは、「授業では、生活の中のちょっとしたことや美しい景色を手帳に描いて、この斬新な記録のスタイルを楽しむよう勧めているほか、敦煌の要素や斉家文化なども盛り込んで、甘粛省の文化に対する理解を深めるよう、学生に勧めている」とした。(編集KN)
「人民網日本語版」2020年11月3日