「保護者が育休中」が多かった自治体
認可保育施設に入れない待機児童について厚生労働省は定義の統一を図るが、今年4月時点でもなお自治体の判断にばらつきが出た。朝日新聞が全国の84市区町(回答は80市区町)に行った調査では、3割が厚労省の定めた待機児童の新定義の適用を見送った。自治体による取り組みの温度差も浮き彫りになっている。
育休中も「待機児童」に 復職意思あれば 来年4月から
新定義では、「保護者が育児休業中」の場合で復職の意思を確認できれば、待機児童に含めることで統一した。全面適用は2018年度からだが、可能なら前倒しも促している。
朝日新聞は20政令指定市や東京23区、昨年4月に100人以上の待機児童がいたほかの41自治体の計84市区町に調査した。2日までに回答があった80市区町のうち、新定義の適用を見送ったのは26市区(32・5%)で、新たに適用したのは17市区(21・3%)。残り37市区町は、すでに適用していた。
新定義を適用した東京都目黒区は4月時点の待機児童が617人で、昨年4月の299人から倍増した。だが、半数近い290人は新定義によって待機児童に算入されたものだ。
仙台市も新定義を適用し、待機児童が昨年より19人増えて232人に。市の担当者は「昨年までの数え方なら減っているが、予想を超えるニーズがあり、実態に合った施設整備を継続していきたい」と話す。
一方、待機児童がゼロだったさいたま市は適用を見送り、保護者が育休中の子ども391人を待機児童に含めなかった。担当者は「復職意思を個別に確認することが困難だったため」と説明する。川崎市(待機児童ゼロ)の331人、横浜市(同2人)の413人も保護者が育休中の子どもで、「隠れ待機児童」だ。
また、いったん「育休中」の新…
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