コミー前FBI長官。5月3日撮影=AP
昨年の米大統領選にロシアが介入したとされる疑惑を調査している米上院情報委員会は7日、連邦捜査局(FBI)のコミー前長官が翌日の公聴会で読み上げる声明を公表した。声明でコミー氏は、トランプ大統領からフリン前大統領補佐官に対する捜査の中止を要求されたことや、忠誠を求められたことを明かした。
声明によると、コミー氏が解任されるまでの約4カ月の間、トランプ氏と直接2人で面会したのは3回で、電話でも6回やりとりした。その都度、コミー氏はすぐにメモに残していたという。
トランプ氏は2月14日にフリン前補佐官への捜査を打ち切るように求めてきたという。フリン氏は駐米ロシア大使との面会をめぐって前日に辞任。FBIの捜査対象になっていた。トランプ氏は大統領執務室で「彼(フリン氏)はいいやつだ。大目に見てもらいたい」と要求してきたという。
コミー氏はFBIの独立性への強い懸念を感じた。了承はせず、FBIの幹部と協議し、現場の捜査チームには知らせなかったとしている。
また、コミー氏は1月27日にトランプ氏に誘われてホワイトハウスで夕食をともにした際の会話にも触れた。その場でトランプ氏は「私は忠誠が必要だ。忠誠を期待している」と求めてきた。だが、コミー氏は「正直であること」を誓うと、トランプ氏は「正直な忠誠」を求めてきたため、了承したという。(ワシントン=杉山正)