東京都台東区の路上で昨年12月、金塊50キロ(2億3千万円相当)を運んでいた貴金属販売店の男性従業員(45)が3人組の男に襲撃される事件があり、警視庁はこの従業員が乗っていた高級外車を奪ったとして、男2人を強盗容疑で逮捕し、7日発表した。
同11月には、この貴金属販売店がある東京都文京区の路上で、車で現金を運んでいた別の従業員が男らに消火剤を噴射される事件があり、従業員は「2億円ほど運んでいたが、1億円とられた」と警察に説明したという。同庁は、金塊や現金を狙った犯行とみて関連を調べている。
捜査1課によると、逮捕されたのは無職森大寿(30)=新潟県上越市=と、指定暴力団山口組系組員、加藤裕貴(22)=横浜市南区=の両容疑者。いずれも黙秘しているという。2人は昨年12月8日午前11時15分ごろ、台東区寿1丁目の路上で、外車に乗り込もうとした男性従業員に対して「車の中を見せろ」と脅迫。催涙スプレーをかけ、外車(260万円相当)を奪った疑いがある。現場は貴金属販売店の加工施設前で、金塊はこの施設に搬入された直後だったため、被害はなかった。普段からこの車で金塊や多額の現金を運んでいたという。同課は、内部情報が事前に漏れていた疑いがあるとみている。