避難訓練で、防火水槽の陰や軒下に身を隠す住民たち=山形県酒田市宮海
弾道ミサイル発射を想定した山形県内初の住民避難訓練が9日、酒田市内であった。西荒瀬地区の小学生や住民ら約550人が参加した。狙い通り、「どこへどう逃げるか、理解を深める」ことはできたか。
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訓練の会場は、酒田北港から東に1キロ余りの市立西荒瀬小学校と周辺。休み時間で運動場に飛び出した児童の動きが止まったのは午前10時33分だった。
近くの防災行政無線の屋外スピーカーからチャイムの音が鳴り「これから訓練放送を行います」。すぐにサイレンが鳴り響き「ミサイルが発射された模様です」とアナウンス。さらに「すぐ学校の中に避難して下さい」と校内放送が流れ、校庭にしゃがみ込んでいた20人ほどの児童は一斉に体育館へ駆け込んだ。
300メートルほど離れた農協支店では、住民たちが店内に駆け込んだ。事前の説明会で「頑丈な建物」への避難を求められていた。
1分ほど後、「直ちに避難。直ちに避難」のアナウンス。車庫近くの植え込みでうつぶせになって頭を抱える住民や、防火水槽の陰に隠れる住民もいた。
午前10時38分。再びサイレンが鳴り響き「先ほどのミサイルは破壊されました」の連絡で訓練終了。住民たちは少しほっとした表情で立ち上がった。
小学生らを除く参加者は135人。草むらに隠れた高橋京子さんは「実際だったらパニックになると思う。けれど、訓練の説明を聞くだけでもためになった」。東北公益文科大学で防災を学んでいるという佐藤真梨さん(20)は、大きなサイレン音に驚いた。「屋外にいて、どこへ行けば自分の身を守れるのか探すのが大変だった」
一方、「米軍基地や原発があるところでやればいい話で、酒田でやる意味がわからない」(70代の男性)という意見もあった。
西荒瀬コミュニティ振興会の鈴…