歴代の連勝記録
昨年12月のデビュー戦から公式戦25連勝中の将棋の中学生棋士、藤井聡太四段(14)が15日、大阪市福島区の関西将棋会館であった第76期順位戦(朝日新聞社、毎日新聞社主催)のC級2組1回戦で勝ち、連勝を「26」に伸ばした。藤井四段は将棋界の頂点「名人」につながる順位戦に今期から参加。大きな目標への最初の一歩を白星で飾るとともに、歴代1位の28連勝まであと2勝に迫った。
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この日は、サラリーマンを経験した後に編入試験を経てプロ入りした瀬川晶司五段(47)と対戦。瀬川五段の攻めをしのいだ藤井四段が反撃に出て主導権を握り、最後は瀬川五段の追い上げを振り切った。最多連勝記録は神谷広志八段(56)が五段時代の1987年につくった「28」。30年ぶりの新記録達成が、現実味を帯びてきた。
順位戦は、名人挑戦権を争う最上位のA級からC級2組まで5クラスある。約1年かけてクラスごとにリーグ戦を戦い、成績優秀者が上のクラスに上がれる。新人棋士は一番下のC級2組からスタートし、名人挑戦者になるまでに最低5年はかかる。
藤井四段の次の対局は17日午後、第11回朝日杯将棋オープン戦(朝日新聞社主催)の1次予選1回戦で、東京大1年で学生名人の藤岡隼太(はやた)アマ(19)と戦う。勝てば、21日の王将戦予選が連勝記録の歴代1位タイをかけた対局になる。(深松真司)
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〈藤井四段の話〉少しずつ苦しい展開になり、(勝ちは)最後の最後まで分からなかった。ここまで連勝できたのは驚き。持ち時間が6時間の順位戦は非常に楽しみにしていた。体力勝負の面もあり、初めての経験だったが、集中力を欠いたところもあるので反省したい。