15日のヤクルト戦。一回裏ヤクルト1死、力投する楽天先発則本=竹花徹朗撮影
8試合連続の2桁奪三振――。日本の野球史に新たな金字塔を打ち立てた楽天のエース則本昂大(たかひろ)投手。15日のヤクルト戦(神宮)は7回8奪三振で降板し、自身の日本記録の更新と、大リーグのペドロ・マルティネス(レッドソックス)らの8試合連続を超えることはできなかった。だが、その偉業は色あせない。プロ5年目、26歳の右腕はなぜ、三振の山を築けるのか。理由を探った。
則本、7回8奪三振で交代 「メジャー超え」記録ならず
則本の前の日本記録は、大リーグでも活躍した野茂英雄(近鉄)の6試合連続だ。その野茂を捕手として支えた光山英和・現DeNAバッテリーコーチは言う。「野茂と則本の違い?それはコントロールと球種の多さや」
野茂の持ち球は直球とフォークの二つ。荒れ球が持ち味でもあった。一方、則本は投球の軸になる直球、フォーク、スライダーに加え、スプリットやチェンジアップも投げる。
今月8日の交流戦で対戦し、則本の球を間近で見た光山コーチは「全部が一級品だった」と振り返る。「野茂は直球か、フォークかの2択やから。それでも打者を打ち取れるのは野茂のすごさ。だけど、どの球でもストライクが取れる則本の方が打者には難しい。的が絞れないからね」
交流戦で12三振を奪われた巨人の選手たちは「球威」を口にした。2三振を喫した坂本勇は「バットをいつもより短く握った。でも、想像以上にキレのある力強い球で、簡単には打たせてもらえなかった」。同じく2三振した阿部も「直球に力があってスプリットもいい。なかなか攻略は難しい」とうなった。
今春のワールド・ベースボール…