日米首脳会談後、トランプ大統領の別荘「マール・ア・ラーゴ」で夕食を共にしたトランプ氏(右奥)と安倍晋三首相(左奥)=2月10日、フロリダ州パームビーチ
トランプ米大統領は16日、昨年の所得を公開し、ホテルやゴルフ場事業などで少なくとも約6億ドル(約670億円)超の所得を得ていたことが明らかになった。トランプ氏のホテル事業などを巡っては、外国政府からの報酬に当たるとして州政府などが訴訟を起こしており、利益相反との批判が強まりそうだ。
トランプ氏が公表した98ページの文書によると、米国内外のホテルやゴルフ場などの所得のほか、米アップルなど有名企業の株式の売却益なども含まれている。トランプ氏が自主的に出した今回の文書では、納税額や詳細な所得はわからない。トランプ氏は大統領就任前、事業経営を息子らに譲る意向を示していた。
主な事業からの所得は、安倍晋三首相や中国の習近平(シーチンピン)国家主席と会談したフロリダ州のリゾート施設「マール・ア・ラーゴ」が3725万ドル(約41億円)、首都ワシントンに昨年開業したホテルが1966万ドル(約22億円)あった。一方で、負債も少なくとも約3億ドル(約330億円)あるとしている。
米メディアによると、首都ワシントンとメリーランド州の民主党系の司法長官が12日、トランプ氏が公務と自身の事業を適切に分離していないのは憲法違反にあたるとして提訴。野党・民主党の連邦議員約200人も14日に提訴した。(ワシントン=五十嵐大介)
■トランプ氏の事業からの主な所得
・「マール・ア・ラーゴ」(リゾート施設、フロリダ州) 3725万ドル(約41億円)
・「トランプ・ナショナル・ドラール」(ゴルフ場、フロリダ州) 1億1586万ドル(約129億円)
・「トランプ・オールド・ポスト・オフィス」(ホテル、ワシントン) 1966万ドル(約22億円)
・「ジ・アート・オブ・ザ・ディール」(邦題「トランプ自伝」、書籍印税) 10万1ドル~100万ドル(詳細額不明)