加計学園の歩みと獣医学部新設をめぐる動き
学校法人「加計(かけ)学園」による獣医学部の新設計画には、人口減に歯止めをかけたい地元・愛媛県今治市側の思惑もあった。学園は10年以上前に千葉県銚子市にも進出しているが、いずれも多額の公費負担を伴うなど、市民の間では期待の一方、不満の声も聞かれる。
特集:加計学園問題
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獣医学部の建設が進む愛媛県今治市。小高い丘にある現場ではいま、作業員数十人が基礎工事を続け、コンクリートミキサー車が慌ただしく出入りする。
「説明が足りない」。今治市役所に、市民の苦情が相次いだ。市議会は3月3日、加計学園に建設費192億円のうち最大96億円を補助する議案を全会一致で、36億7500万円相当の予定地(16・8ヘクタール)を無償で譲渡する議案は賛成多数で可決した。市議32人中、反対したのは、「早急すぎる」と批判した共産党の市議だけだった。
市は4月11日、初の市民説明会を開いた。市民会館に約300人が詰めかけ、立ち見も。「手続きが性急では」などと予定時間を過ぎても菅良二(かんりょうじ)市長らへの質問は続き、「必要なら2度目の説明会を開く」と市側が約束して、閉会した。
傍聴していた元自営業の山本征…