愛媛県今治市への獣医学部新設をめぐり学校法人「加計(かけ)学園」の加計孝太郎理事長が安倍晋三首相と面会したと県の文書に記されている問題で、中村時広・県知事は30日、東京・霞が関で報道陣の取材に応じた。学園事務局長が31日に県庁を訪れ、「県と市に誤った情報を与えた」とのコメントを出した経緯について説明し、謝罪することを明らかにした。
中村知事は「しっかり説明を聞き、県の立場も伝えなければいけない」と話した。自身は台湾出張のため、担当部長が対応する。
学園は26日、県などとの打ち合わせの際、「実際にはなかった総理と理事長の面会を引き合いに出した」とのコメントを報道各社にファクス送信した。県への説明はなく、中村知事が「最高責任者の説明」を求めていた。
中村知事は、事務局長の来訪について「ナンバー2の方なのでお受けしようと思う」とする一方、「最高責任者が説明するのが世の常。記者会見という形かもしれないが、やった方が学園の信用につながる」と改めて指摘した。
学園は30日、報道各社あてにファクスを送信。26日のコメント内容は学園関係者へ聞き取りによるものだとし、「職員の記憶の範囲であり、確認には困難もある」などとしている。報道各社には「今後も書面での対応」とし、記者会見は「今後検討」としている。今治市によると学園事務局長は31日、市役所も訪れる予定という。