安倍晋三首相は23日の衆院厚生労働委員会で、2015年2月25日に加計(かけ)学園の加計孝太郎理事長と面会したと記された愛媛県の文書をめぐり、新聞の「首相動静」欄を根拠に「自宅も含めて会っていない」と改めて否定した。2月25日前後に加計氏と電話で話したかについては「わからない」と述べた。
首相は22日に官邸での面会を否定していた。同委員会で、立憲民主党の長妻昭氏から自宅で面会したかどうかを問われると「官邸でも自宅でも、記者が出入りする人を逐一確認している。首相動静も確かめた」とし、「自宅も含めて会っていない」と否定した。
ただ、首相動静には、首相番の記者が確認できた面会者に限って掲載される。首相動静に載っていない「極秘会談」も過去には行われており、首相動静に載っていないからといって、会っていないという根拠になるわけではない。
首相は第2次安倍政権になってから加計氏と面会した回数について、首相動静やフェイスブックなどで確認できた範囲で計19回だと説明した。
さらに、「電話を含めて話をしたことはないのか」との質問に対し、首相は「3年前なので確たることは申し上げることはできない」としたうえで、「いずれにせよ獣医学部の新設についてのやりとりは一切していない」と強調した。
愛媛県が国会に提出した文書には、加計学園からの報告として、加計氏が15年2月25日に首相と15分程度面会して獣医学部設置を説明し、首相が加計氏に「そういう新しい獣医大学の考えはいいね」とコメントした、と記されている。(斉藤太郎)